怒り出して手がつけられなくなった時の対応方法

怒り出しててがつかなくなった時

ABOUTこの記事をかいた人

社会福祉士、介護支援専門員。認知症対応型通所介護で生活相談員をしており、副業で初任者研修講師をしています。福祉業界に携わり14年になります。地域の人々に正しく認知症を理解してもらう為、地域包括支援センター、高齢者見守りセンターのスタッフと協力して認知症サポーター養成講座の講師の活動も行っています。

認知症の影響で、性格に変化が出ることもあります。とくに怒りっぽくなってしまう人はどう対応したら良いのでしょうか?

 

認知症で怒りっぽくなってしまう人の特徴の共通点があります。

①仕事人間で趣味が少ない人

②友人が少なく、社交性がなく笑わない人

 

この動画に出てくる青空好児さんのお母さんは認知症により家族に暴言や暴力を振るうようになってしまいました。

 

数年前までは真面目で仕事人間だったそうです。青空好児さんの話によると「認知症になる前から、怒ったり仕事をしている姿しか見ていない。笑っている姿を見たことがない」と語られています。

 

身近な介護者ほど八つ当たりされる

 

認知症になっても、介護者に素直に感謝できるほど自分の現状を受け入れていれば、大きな問題は起こりません。しかし一方で、以前と変わってしまった自分自身を受け入れることができず、葛藤している人もたくさんいます。

 

自分の現状に葛藤している人にとって、身近な介護者は大切な存在ですが、自分でできない部分や失敗をすべて知っているために、わずらわしくもあります。そのため、八つ当たりともいえる怒りの対象にされやすいのです。

 

こんな対応をしていませんか?

 

介護者
なんて言い方するの!ひどい!!

 

介護者
・・・・・・・・・・・・・・(無視)

 

葛藤している状態の認知症の方に対して、言い返したり、無視して聞き流したりすると、プライドが傷ついて余計に怒りやすくなるので注意が必要です。

 

いらだちの原因を理解することが重要です。

 

介護をしていて突然怒られると理不尽に感じます。しかし本人が怒っているのは、自分自身の不甲斐なさに対してなのです。介護者はそれを理解することが重要です。

 

そのためには生活の中で、簡単な役割を担ってもらうことが効果的です。そして、役割をこなしてもらったらその都度「ありがとう」と感謝を伝えるようにしましょう。

 

脳血管障害の後遺症などで怒りやすくなることもあります。この場合、本人を怒らせているのは性格ではなく、病気です。介護者は病気のせいだと割り切り、なるべく本人の言い分を聞き入れてあげましょう。

 

本人の気持ち

 

葛藤している

老いてしまった自分を受け入れられず、葛藤している。老人扱いすると、火に油を注ぐことになる。

 

 

 

どうにもできない

これが認知症の症状である場合は、本人も苦しい。出口のないトンネルの中にいるような状態。

 

こうしてみよう

役割を与えて感謝する

生活の中で役割を持ってもらい、できたことに対して感謝の気持ちを伝える。例えば「机を拭いてもらう」「新聞を取ってきてもらう」「花の水やり」など。

 

本人の言い分をよく聞く

本人の言い分をよく聞く

病気のせいだと割り切って話を聞き、指摘されたことを直すなど主張を受け入れる。

 

家族や介護者に暴力をふるう

認知症の方が暴力をふるうようになると、介護者は心も傷つき、介護が難しくなります。どのように対応すれば良いでしょうか?

 

本人の気持ち

認知症の方
バカにされた!嫌なことをされたんだ!!

 

認知症の方
!!!!!!(興奮してしまっている)

 

プライドの高さが原因であることも

 

認知症の方が暴力をふるう場合、再発防止のためにも、なぜ暴力に発展したのか原因を考えることが大切です。

 

たとえば、言葉や体の不自由な人は、もどかしいのかもしれません。

 

プライドが高い性格の人は、世話をしてもらっている現状が耐え難く、不甲斐ない自分に腹を立てているのかもしれません。

 

また、ピック病などの前頭葉が萎縮するタイプの認知症では、感情のコントロールが難しくなり、不可抗力の暴力が見られます。

 

原因を考えたら、根気強く主張を聞いてあげたり、プライドを傷つけない言葉選びをしたり、それぞれの原因に合わせた対応をするようにしましょう。

 

まずは逃げて冷静になること

 

身の危険を感じるような暴力を振るわれた場合、言葉や力でまともに応戦せず、まずは逃げましょう。

 

抑え込むのは本人や周りの人が危険な時だけです。

 

身の安全を確保したら、お互いが冷静になるまで少し時間をおきましょう。戻る時は第三者がいるのが理想的です。第三者がいると落ち着きやすくなります。

 

また、病気が原因の暴力や、とにかく凶暴で原因が見当たらない場合は、医師に相談するのも一つの方法です。薬を処方してもらうことで落ち着く場合もあります。

 

事例動画

青空好児さんのお母さんがなぜ暴力や暴言が出てしまうようになったのか、下のNo.1〜No.5動画を観ると一連の流れがわかると思います。

 

要点をお話しすると

お母さんは長野県の名物、おやき屋を60年以上営んでいました。夫の死後も1人で店を切り盛りを続け、地元の人気店に育てあげました。

 

77歳の時に突然、認知症を発症。毎日、朝10時には必ず仕込みを終えていたのだが、夜中12時を過ぎてもおやきを焼き続けている姿を近所の人が発見したのがきっかけでした。

 

青空好児さんが報告を受け長野に向かうと、ぐちゃぐちゃで使い物にならないおやきの皮を床一面に並べていました。お母さんを引き取ることを決意し、介護のための一軒家を建てました。

 

家族を悩ませた事が、失禁のため洋服が濡れてしまい、毎晩のように全裸同然で震えていました。恥ずかしい思いがあるため、汚れた衣類をタンスに詰め込んでいました。

 

さらに、一瞬でも目を離すと、地元、長野県に帰ろうと昼夜を問わず徘徊し、町中を彷徨っていました。24時間目が離せない状態でした。そのため、徘徊防止のために鍵を3つかけて、階段には徘徊防止用のバーを設置しました。

 

この対策を施した、わずか半年後、おかあさんの暴言や暴力が見られるようになりました。

 

暴力行為が出たきっかけは洗濯物のたたみ方でした。元々きれい好きだったお母さん。認知症になってからも、洗濯物だけは率先して片付けていました。

 

しかし、娘が「母さん、洗濯のたたみ方はこうですよ!」と注意したところ。「何言ってんだ!高校も出てないくせに、生意気なことを言うな!」と殴りかかってきたとのことでした。

 

家族が肉体的にも精神的にもギリギリの状態でした。そんな中、好児さんの長男がとんでもない行動を起こしました。

 

いつものようにお母さんがかんしゃくを起こした時、「おばあちゃん、頭、だいじょうぶ?」と暴言を吐きました。

 

しかし、このありえない言動が意外な結果を生み出しました。普段から全く笑わなかったお母さんが楽しそうに笑ったのです。

 

動画の中で、長男が入れ歯を盗んだフリをしてからかうと、最初はちょっかいを出されたと思い怒っていたが、声を出して楽しそうに笑っていました。

 

長男は「おばあちゃんとふざけあっている感じ。最初はムキになるのだけど、結果笑ったり、嫌いと言いながらすごく喋ったりとか、おばあちゃんというより妹みたいな感じで可愛がっていますと答えていました。

 

長男の「からかい」から笑うようになって以来、暴力や暴言は減少し、症状にも改善が見られました。

 

笑うことは認知症に効果的であり、よく笑っている人とほとんど笑わない人を比較すると、よく笑っている人のほうが脳の機能低下を抑えられると言われています。

 

青空好児さんは「介護というのは、もっともっと大変だなというのは自分たちの頭の中にあるけれど、からかいで自分たちの認識が肩の荷がスッと取れた感じがします」と答えていました。

 

認知症を発症してから笑わなかったお母さんが、笑うようになり、家族の雰囲気が変わりました。

 

一つの動画が5分ぐらいなので、時間がある時にでも観ていただけたらと思います。

 

経験談

 

私もデイサービスの利用者さんに何度か殴られたことがあります。特に60代〜70代の男性の利用者さんは力が強いので、私も押さえ込もうと力が入ってしまい、抵抗されて顔を殴られてしまいました。

 

介護者が感情的になってしまうと、ますます興奮してしまうので、身の安全を確保して冷静になるまで待つことが重要です。そして、穏やかなトーンで声かけをすると、相手も落ち着いて話を聞いてくれます。

 

「笑う」ことの重要性は、私も経験から感じています。暴言ばかりで家族を困らせている方も、デイサービスに通い始めて、笑顔が出てくるようになると症状が落ち着いてきます。

 

アライ レオ
本人が得意なことを教えてもらうのも良い方法です。感謝する場面や敬意を持つ場面が増えると、起こりやすさは次第に落ち着いてきます。

 

参考文献

この文献は問題行動の「良い対応」と「良くない対応」が具体的に書かれていて、イラスト入りでわかりやすいです。
認知症のタイプ分けもぴったり当てはまり、本人の気持ちや行動の理解に役立つと思います。


新しい認知症ケア(介護編) 完全図解 (介護ライブラリー) [ 三好春樹 ]

 

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