介助されるのを嫌がる時の対応方法

介助されるのを嫌がる時の対応方法

ABOUTこの記事をかいた人

社会福祉士、介護支援専門員。認知症対応型通所介護で生活相談員をしており、副業で初任者研修講師をしています。福祉業界に携わり14年になります。地域の人々に正しく認知症を理解してもらう為、地域包括支援センター、高齢者見守りセンターのスタッフと協力して認知症サポーター養成講座の講師の活動も行っています。

 

相手のために介助したのに拒否されると、行為を否定されたように辛いものです。どのように対応すれば良いでしょうか?

 

拒否されているのは自分自身の老い

 

「認知症のご本人が一人でやると難しいことや危ないことを手伝ってあげる」という行動は行為からきています。それを拒否されると介護者は自分の存在を否定されたような、悲しい気分になるものです。納得がいかなかったり、気分を害してしまうことも多いでしょう。

 

こんな対応をしていませんか

 

ご本人
バカにするな!! よけいなお世話だ!!

 

介護者
まー なんですか、あの態度!

 

介護者
でも難しいですから、やっぱり私が・・・・

 

このような場合、ご本人が拒否しているのは介護者の行為ではなく、「こんな簡単なことで介助されてしまう自分自身」である場合が多いのです。介護者はご本人の、この複雑な心境を理解してあげられると、気持ちが楽になります。

 

「老い」という現実に直面している本人の気持ちに考慮して、プライドを傷つけないようにサポートしましょう。

 

介助されるのを嫌がる時の対応方法

 

本人の気持ち

ご本人
そりゃあ、若い頃とは違うけど、わしだってまだまだできるのに

 

自尊心は失われません

実際にはできないことや難しいことも、ご本人はできると思い込んでいます。ですから介助されると自尊心が傷つき、不当に子ども扱いされている気持ちになるのです。自分が以前と違うことに感づいている人の場合、認めたくなくて必死に頑張っているのに、介助によって「あなたにはもう無理だ」と言われた気持ちになり、怒り出すこともあります。

 

対応方法

見守りも大切な介護です

本人が自分でやりたいという気持ちを持っている場合、そっと見守るというのも大切な介護の手段です。本当に危ない場合や、本人に助けを求められた時を中心に介助するようにしましょう。時間がかかっても一人でできたら、認めて感謝することも大切です。サポートする時は、本人に気づかれない形で行なうよう配慮してください。

 

リハビリを嫌がる時の対応方法

リハビリは大変ですが、だからといってやらなくなってしまうと周りは心配します。リハビリとどう向き合えば良いでしょうか?

 

 

こんな対応をしていませんか

 

ご本人
リハビリは嫌だ!!

 

介護者
リハビリを怠ると、どんどん体が動かなくなりますよ

 

介護者
本人が嫌ならどうしようもないわね・・・

 

手術後や入院中など、病気の急性期のあとにはリハビリが大きな効果をあげます。その時は頑張っただけ成果も現れるのでリハビリにもやる気が起きるものです。

 

しかし回復期を過ぎ、家庭に帰るころには効果も実感できなくなり、人によっては痛くて苦しいリハビリを拒否することがあります。そんな時に「怠けている」と思って無理強いするのは問題です。リハビリだけでなく家族まで悪いイメージになってしまします。

 

リハビリそのものよりも「今ある機能を使ってどのように生活できるか」という、生活行為に目を向けましょう。能動的な生活自体がリハビリの役割を果たし、残存機能の維持に役立つのです。

 

本人の気持ち

ご本人
痛いし、辛いし、そんなに効果もないし、もう嫌だよ・・・

 

ただの訓練は苦痛になることも

リハビリにやりがいを感じて積極的に取り組む人もいますが、リハビリが目的になって、いつまでも楽しみを先送りにするのも問題です。人は目的がなければ単調で痛みも伴うリハビリを続けることができません。この行為が直接生活のどの場面で役立つのか見えにくいとリハビリが嫌になってしまうのです。

 

対応方法

今ある機能を活用しよう

リハビリはどうしても「できなくなったことを、訓練でできるようにしよう」という発想になりがちです。しかし、できないことに心血を注ぐよりも、いまできることに目を向けましょう。「生活できるように体の機能を回復させる」のではなく、「生活を送っていくことで体の機能を維持できる」側面のほうが多いのです。

 

事例動画

 

札幌にあるデイサービス「夢のみずうみ村 てんやわんや」のリハビリは、「健康トリム」というスタッフ手作りのプログラムがあり、施設内に50個以上置かれていて、すぐに手を伸ばせます。

 

健康トリムのプログラムをすると、施設内通貨「ゆーめ」が貰えます。「ゆーめ」を使えば、マッサージを受けたり、コーヒーを飲んだり、追加のサービスを受けることができます。

 

施設長は「ゆーめ」はためる喜びとか、支払うというやりとりで日常生活の買い物の疑似体験ができるように、意欲を引き出すために使っていると話していました。

 

利用者さんは自分でスケジュールを決めています。体操や健康トリムだけでなく、トランプ、麻雀、カジノ、カラオケなど自分でやりたいことを決めています。

 

この動画に出てくる95歳の利用者さんは9ヶ月前来たばかりの頃は脊柱管狭窄症のため、支えなしで起立・歩行ともに困難な状況でした。てんやわんやでリハビリを続けるうちに杖がなくても歩けるようになりました。

 

「ゆーめ」を使ってパン作りに参加し、生地を力強くこねていました。95歳で脊柱管狭窄症で歩けなくなった人でも、ここまで回復できるのかと、私は本当に驚きました。

 

施設長はなんでも介護をしてしまうと自分でやろうという意欲まで奪ってしまう」「できる環境を作ってあげることで自分はまだ現役でやれるんだという気持ちになってもらうことが大事」と話されています。

 

経験談

私はデイサービスの中での、今ある機能を活用しながら、お手伝い(役割)をしてもらうようにしています。

 

元気な方には洗濯たたみ、お茶汲み、食器洗い、床掃除、配膳の片付けなどしてもらいます。

 

重度の認知症の利用者さんも、できることは必ずあります。例えば、昼食時「いただきます」のかけ声をしてもらう。レクリエーションの時の応援をしてもらう。など、簡単なことでも構わないので、役割を持ってもらうようにします。

 

「役割」を持つとデイサービスに来るのが楽しみになり、妄想などのBPSDの症状も落ち着いてきます。

 

仕事をお手伝いしてもらった後は必ず「ありがとうございます!とても助かりました!」と感謝の気持ちを伝えると「何かお手伝いすることがあったら言ってちょうだい」と笑顔で話してくれます。

 

アライ レオ
できないことを無理強いするより、できることを探し、生活の中で活かしていくことが大切です。

 

参考文献

この文献は問題行動の「良い対応」と「良くない対応」が具体的に書かれていて、イラスト入りでわかりやすいです。
認知症のタイプ分けもぴったり当てはまり、本人の気持ちや行動の理解に役立つと思います。


新しい認知症ケア(介護編) 完全図解 (介護ライブラリー) [ 三好春樹 ]

 

介助されるのを嫌がる時の対応方法



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