「同じことを繰り返し言う」時の対応方法

同じことを繰り返し

ABOUTこの記事をかいた人

社会福祉士、介護支援専門員。認知症対応型通所介護で生活相談員をしており、副業で初任者研修講師をしています。福祉業界に携わり14年になります。地域の人々に正しく認知症を理解してもらう為、地域包括支援センター、高齢者見守りセンターのスタッフと協力して認知症サポーター養成講座の講師の活動も行っています。

最近のことを覚えていられない

 

実害は少ないように見えて、毎日続くと介護者には大きなストレスが溜まる「繰り返し」はどう受け止めれば良いでしょうか?

 

認知症になると最近のことを忘れてしまい、昔のことは比較的細かく覚えています。

私の経験から「繰り返し」出てくる話は「生き甲斐を感じていた時代」「苦労していた時代」が多いです。5分前に話したことでも、すっかり忘れてしまい、何度も話してしまいます。

 

1回や2回は笑顔で聞くことができても、5回、6回と続くと、つい「その話は聞きました」「またですか」などと話を切り上げたくなってしまいます。

 

しかし、本人は話した記憶がないので、せっかくの話を冷たい対応で聞いてもらわなかったという不満が残るだけです。

 

また、記憶が長持ちしないことが原因で、気になることを何度も繰り返し確認している場合もあります。

 

できる範囲で聞くようにする

同じ話を何度も聞くことは容易ではありませんが、なるべく付き合ってあげましょう。認知症の方にとって、自分の輝いていた頃を回想として語り、それを聞き手に認めてもらうという体験は大きな癒しになります。

 

本人の気持ち

回想タイプ

自分が乗り越えた苦労や、輝いていた頃のことを話したくて仕方ないタイプ

 

 

確認したいタイプ

心配で仕方ないことをすぐに忘れるので、何度も言ってしまうタイプ

 

こうしてみよう

 

区切りをつけて聞く

なるべく根気よく付き合う。時間がなくても5分、10分と区切りをつけてしっかり聞く。

 

忙しい時は事情を話す

どうしても手が離せない時は、事情を話して断ることも必要。無視してはいけない。

 

具体的対応

 

これは、時間をたずねたことを忘れてしまい、何度も時間を聞き返している時のユマニチュードでの対応方法の動画です。

 

繰り返したずねるのは不安の表現であり、答えてくれないと不安が広がり、逃げ出したい気持ちになり、時には外に出て行ってしまうこともあります。

 

難しいこともありますが、ご本人にとっては初めての質問なので、なるべく何度でもやさしく答えて不安を和らげてあげましょう。そして、その状況に関連があり、ご本人が関心を向けられる他のことで、不安な気持ちをそらすことがポイントです。

 

このケースでは時間をたずねているので、ご本人の近くに時計を置き、時間を確認してもらいながら対応するのも良いかもしれません。

 

経験談

私の勤務しているデイサービスの利用者さんのAさんはせっかく貯めた貯金を、夫が使いギャンブルで使い込んでしまい、お金のやりくりに大変苦労していました。年金暮らしのAさんは常にお金に対する不安があります。

 

Aさん
お父さんがお金を使い込んでしまい、今の私は貧乏くらしなの

 

この言葉を「繰り返し」話してくるので、周りの利用者さんにも「お金の話ばかりしてる」と思われてしまいます。このように「繰り返し」のある利用者さんに対しては、間に職員が入るなど席の並び方も工夫しています。

 

ある程度の時間「繰り返し」話を傾聴して、区切りの良いところで「Aさんにお手伝いしてもらいたいことがあるのですが、よろしいですか?」と洗濯物をたたんでもらったり、テーブルを拭いてもらい、不安な気持ちをそらすようにしています。

 

食べたばかりなのに食事はまだかと言う

認知症になると、食事が済んで間もないのに「ごはんはまだか」と催促することがあります。これは、短期記憶が保たれていないために食べたことを忘れたか、脳の満腹中枢が障害されているのです。また、時間に関する見当識が失われ、自分だけが食事から外されてたと思っていることもあります。

 

こんな時に「もう食べたでしょう」と怒ったり、「○時に○○を食べましたよ」と食べた内容を説明したりしても逆効果です。強く言えば被害者意識を抱いてしまうので、「食べていない」という本人の思いを尊重して関わらければなりません。

 

さっき食べたことを忘れた人への対応

 

ご本人
食べてないよ
介護者
そうですね

受け入れる

いったん受け入れたから、本当の要望を推察していく。

 

ご本人
食べてないよ
介護者
さっき食べましたよ

事実を告げる

信頼関係があれば、正直に言った方が良い場合もある。

 

また食事を出してあげる

何か訴えたいことがあるという気持ちを受け止めることが大切なので、また食事を出すくらいのケアを行いましょう。カロリーが心配なら、軽食やおやつを小分けしてあげましょう。

 

食べた食器を片付けない

まだ食べている人を急かしたり、流れ作業式に食器を片付けたりすると、混乱する人が出てくることがあります。

 

話し相手をする

終わったばかりであることを言わずに「これから支度しますからね」「何が食べたいですか?」「食事の用意ができるまで一緒に何かしましょうか?」と、寂しい気持ちの相手をしましょう。

 

経験談

デイサービスの利用者さんで脳の満腹中枢の障害があり、少し食べただけで「もうお腹いっぱい」と仰って、職員が「もう少し召し上がったらどうですか?」と促しても、食べようとしません。

 

食後30分位経つと必ず、「ごはんまだなの?」の催促にくるので、残した白米をおにぎりにしてストックしておいて、「ごはんまだなの?」と催促に来た時に召し上がってもらうようにしました。

 

おにぎりを召し上がると満足するようで、おやつの時間まで催促にくることはなくなりました。

 

アライ レオ
このようなケースの場合、どうせ何もわからないのだからという気持ちで「受容」するのは問題です。

 

参考文献

この文献は問題行動の「良い対応」と「良くない対応」が具体的に書かれていて、イラスト入りでわかりやすいです。
認知症のタイプ分けもぴったり当てはまり、本人の気持ちや行動の理解に役立つと思います。


新しい認知症ケア(介護編) 完全図解 (介護ライブラリー) [ 三好春樹 ]

 

同じことを繰り返し



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