受診をしてくれない時の対応方法

受診をしてくれない

ABOUTこの記事をかいた人

社会福祉士、介護支援専門員。認知症対応型通所介護で生活相談員をしており、副業で初任者研修講師をしています。福祉業界に携わり14年になります。地域の人々に正しく認知症を理解してもらう為、地域包括支援センター、高齢者見守りセンターのスタッフと協力して認知症サポーター養成講座の講師の活動も行っています。

受診の勧め方

いざ専門医に診てもらおうと思っても、意外と難しいのが受診の勧め方。なるべく本人の気持ちを傷つけずに受診する方法を考えていきます。

 

認知症の高齢者は、本人に病識がないことが多いため、受診の促し方が難しいものです。もし自分の変化に少しずつでも気づいているのであれば、受診を受け入れてくれるかもしれません。

 

しかし多くの場合は直接的に「もの忘れが激しいのでお医者さんに行きましょう」と言うと、本人はショックを受けてしまうことでしょう。場合によっては意地になって「私はどこも悪くない」と強く拒否されてしまいかねません。

 

かといって「お見舞い」や「買い物」などと嘘をついて病院に連れ出すのは問題です。その後の家族関係や医師との信頼関係に影響が出てはいけません。

 

こんな工夫をしてみましょう

「○○先生が勧めていましたよ」

普段のかかりつけているお医者さんの言うことなら素直に聞く場合があります。信頼している親戚や知人の名前を出してもいいでしょう。

 

「健康診断を受けましょう」

体全体の調子を話題にして受診を促します。今現在問題があるのではなく、いつまでも元気でいてほしいという気持ちを伝えましょう。

 

「市から検診の連絡がきました」

本人だけではなく、地域の皆さんが受診するという名目で受診を促します。「高齢者検診」といった言い方もできるでしょう。

 

「病院に配慮してもらい、内科から」

いきなり認知症の専門と思われる科にかかるのが難しいようなら、病院に相談して、内科から別の窓口へ行かせてもらいましょう

 

 

 

この動画は家族の会の大野様が受診を嫌がる方の解決方法について話しています。大野様の経験談を話してくれているのでとても参考になると思います。

 

初診の時は事前メモを用意する

初診の時は経過を聞かれてあわてないように、事前に大切な情報をメモにしてまとめておくと良いでしょう。

 

いつから

●どのような変化に、いつ頃気づいたのか

●何か、家族が気づくきっかけはあったか?

 

変化の内容

●以前は見られなかった変化

●具体的に、以前はどのようであったのか、現在はどのように変化しているのか?

 

現在の状況

●日常生活はできているか

●困っていることは何か

 

その他

●生年月日、生活歴、学歴、職歴、家族構成、既往歴など

●服用している薬があったら、その種類や名前。お薬手帳もあれば持参。

 

受診拒否がある方の具体的対応方法

受診拒否がある方の対応方法を事例を交えながら、体系的に紐解いていきたいと思います。

 

なぜ受診拒否がしてしまうのか考える

「本人の理由」

●必要性を感じない。納得していない。

●新しいことや変化に弱く、適応するのに時間がかかる。

●相手との関係性の問題

「不安」「嫌な気持ち」を否認したり、状況を回避してしまう

 

「その他の理由」

●家族が受診に抵抗がある

家族が病気だということを認めたくない。相談・治療・サポートのいずれかに抵抗感がある。

 

受診拒否はなぜ困る?専門医への受診は必ず必要?

「早期発見、治療のため」

●薬物療法で現状維持や進行を遅らせることができる

 

「生活を維持するため」

●本人の生活

病気のために出来なくなっていることを正しく理解し、サポートする。出来ることは、引き続きやってもらう。

●家族の生活

認知症、介護を一人で抱えない。介護保険サービスを利用する。

 

受診の前に計画を立てる

●誰が?

●どのタイミングで?

●何と言うか?

本人の性格を踏まえて、事前に関係者と相談して、段取りをする。本人に伝える際にはセリフを作っておくと効果的。

 

誰が勧める?

●家族の中で、本人との関係良好な人(別居の子ども、兄弟など)

●家族以外で本人と関係が良好な人(友人等)

●医師(かかりつけ医)

●福祉専門職

勧めるのは外の人、同居家族は本人をフォローする立場になるのが理想。

 

どのタイミングで?

●誕生日

●免許の更新

●健康診断

●予防接種

●本人が不安を口にした時

本人にかかわりがある区切りの良いタイミングで誘ってみる。

 

どのように伝える?

1、本人と「共有」しやすい言葉を使って切り出す。

NG:「もの忘れがひどい」「こんなにゴミがたまっている」「その話3回目だよ」

OK:「今月で80歳になったね」「ゴミが3袋あるね」

※なるべく目で見てその場で共有できる情報をつかう。

 

2、自分の気持ちを伝える。「私」メッセージで伝える

例:私は心配している。私は早めに相談したいと思っている。

※「あなた」メッセージは責められているように受け取られる。

 

3、具体的に提案する

例:病院に一緒に行ってほしい

※相手がNOの場合とYESの場合を想定する。

YES:ありがとう。一緒に行くから安心してね。

NO:私が相談するのについて来てほしい。

 

共有しやすい話題

●認知症の方の気持ちや願いを聞き取る

例:今の生活を長く続けたいと思っているんだよね?

●認知症の方の困りごとに合わせる

例:足腰が痛い?お風呂掃除が大変?

 

受診拒否の際にやってはいけない対応

「だます」

その時だけ受診につながっても、検査・通院を継続するのは大変です。

「議論する」

「認知症かどうか」議論することは効果的ではありません。むしろ逆効果です。

「説得する」

作戦の練り直しが必要です。人やタイミング、言い方を変える。

事例検討

Bさん(80代女性)
夫と2人暮らし。娘と夫と共に来所。「今日は娘にどうしてもと頼まれてきたけど、話すことはございません」と拒否的態度

Bさんの言動・行動

●同じものを繰り返し買ってくる。

●出来ないことを指摘すると激昂する

●毎日夫を攻める

●「どうせいつかは死ぬから放っておいて。ボケてると言っても自分のことは自分でできる!」と検査を拒否

→家族と相談している間、別のスタッフと会話。「○○病院なら行く」と言い出す。

 

Bさんのその後

画像検査の段階で、強い拒否。「自分は全く健康体、問題なし」を繰り返し、通院拒否。

→その後地域包括支援センターへつなぐ。訪問を繰り返し、往診の手配につながりました。

 

どうしても受診を促せない場合は、先に家族だけで専門医に相談するか、往診に来てもらうのも一つの手です。

 

参考文献

もっと詳しく受診の勧め方を知りたい方はこちらの文献を参考にして下さい。

より詳しい専門書にはない、読みやすさがあります。イラストも多数あり、症例に沿った説明も分かりやすいです。認知症の最初の本としておすすめです。

 


完全図解 新しい認知症ケア 医療編 (介護ライブラリー)

 

アライ レオ
決心してから受診するまであまり間が空いてしまうと抵抗されてしまうことが多くなるので、受診を促すのは前日か2〜3日前にするのが良いでしょう。

 

受診をしてくれない



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